不動産業務はどう効率化すべき？メリットや効率化すべき具体的な業務を解説

不動産業務、とくに物件管理業務や物件仲介業務は、物件や顧客が増える毎に業務がどんどん多くなってしまいやすいものです。本記事をご覧になっている方の中にも、業務の多さに悩まされている方も多いでしょう。

この記事では、そうした不動産業務の効率化について、不動産業界が抱える課題や効率化によるメリット、効率化すべき業務などをご紹介いたします。

不動産業界が抱える課題とは？

不動産業界が抱える課題にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、主な課題として以下3つをご紹介していきます。

不動産業界は激務であるなどのイメージから、業界的に慢性的な採用難に陥っています。また、激務であることから離職率も高く、人手不足になりやすいでしょう。

なお、厚生労働省の「令和３年雇用動向調査結果の概要」によると、不動産業界の入職率は11.0%、離職率は11.4%です。

他業界と比べて極端に離職率が高いというわけではありません。しかし、現在入職率より離職率が高い結果であることを踏まえると、業務改善や効率化を進めず激務が続いている限り、今後入職率が低下、離職率が上昇し、さらに人手不足が加速していくと予想できるでしょう。

近年では、不動産業界でも積極的に進められているDX化ですが、他の業界と比べるとまだまだ進んでいないのが実情です。

なお、DX化とはデジタル・トランスフォーメーションのことで、簡単にいえば業務を進めるうえでデータやデジタル技術を活用することだと考えるとよいでしょう。

不動産業界のDX化が遅れている理由としては以下が考えられます。

まず、現時点で古い情報管理システムを活用している場合、自社独自のルールに則って情報管理されているなどの理由から新しい情報管理システムへ移行しづらいといった問題があります。

さらに、不動産業界は、賃貸契約や不動産登記などの手続きが複雑であり、業務プロセスが多岐にわたっています。そのため、DX化においても、自社の業務プロセス分析や事前の改善が必要であり、手間や時間がかかることがあります。

そのほか、DX化に必要なスキルや知識を持ったデジタル人材が不足していることも、不動産業界におけるDX化の遅れに繋がっているでしょう。

不動産業界は、顧客という個人を相手にする仕事ということもあり、休日である土日や平日の夜に働くことが多いうえ、人手不足による残業が多い傾向にあります。

なお、「OpenWork働きがい研究所」によると、2022年4-6月期において、全体の平均的な残業時間が毎月24.31時間であるのに対し、不動産業界は32.65時間と、比較的高い結果となっています。

不動産業務において業務効率化がもたらすメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。

システム導入による業務効率化で、情報入力や書類作成などの手間や時間を削減することができ、空いた時間で利益に直結する仕事に集中できるメリットがあります。

例えば、これまでデータの入力などに追われていた時間を、既存顧客への丁寧な対応で顧客満足度を高めたり、新規顧客を見つけるための集客時間に使ったりといったことが可能になるでしょう。

不動産業界のDX化は遅れていますが、顧客の多くはインターネットを利用して物件を探しているのが実情です。国土交通省の「インターネットによる物件情報収集が大きく増加しています！～令和３年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ～」より、「直近5年でインターネットによる情報収集が大きく増えている」ことが報告されています。

業務効率化を進めてDX化に繋げていくことで、集客率アップを目指せるだけでなく、業務効率化による空き時間で追客精度を上げられるため、成約率アップにも繋がるでしょう。