首都圏賃貸市場動向:CRIX指標を活用した最新のエリア別分析

【CRIX vol.30】2026年7月 全国主要地域のCRIX一覧(空室率と平均支払賃料) 資料ダウンロード

不動産市場アナリスト : 藤井 和之 日本情報クリエイト株式会社 AI・データ戦略室執行役員 : 林 宏

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日本情報クリエイト株式会社(本社:宮崎県都城市、代表取締役社長:渡邉 良、以下「日本情報クリエイト」証券コード:4054)は、このたび賃貸不動産市場の指標であるCRIX指標を活用した月次レポートを公開したことをお知らせいたします。

本レポートでは、最新データに基づき、東京23区、神奈川県、埼玉県、千葉県の市場動向を詳しく解説します。

※公表されている数値についての当社調べ。

 
 

東京23区の単身者向けはアパート・マンション共に空室率が悪化

 

東京23区

東京23区ではではアパート、マンション共に、面積の狭い単身者向けの0-20㎡の空室率が前月比悪化、面積の広い単身者向けの20-30㎡とカップル向けの30-50㎡の空室率が前月比で僅かに悪化、ファミリー向けの50㎡-の空室率が前月比概ね横ばいとなりました。平均支払い賃料(以下、支払い賃料)は、アパートの家族向けの50㎡-を除き、前月比で上昇していますが、アパートのその他の面積帯、マンションの0-20㎡の支払い賃料の上昇幅は縮小しており、ピークを迎えつつあると考えられます。マンションのその他の面積帯の支払い賃料の上昇率は高い水準を維持しており、前年同月比では物価上昇率をカバーできるところまで上昇してきました。東京23区への人口流入超過数の減少の影響で、空室率の改善が止まったことから、アパートの支払い賃料上昇幅が小さくなっています。今後は、マンションの支払い賃料にも人口流入超過数の減少の影響が現れる可能性があります。

 

神奈川県

川崎市では、アパート、マンション共に、全面積帯で空室率が前月比で悪化しました。ただし、アパート、マンション共に、全面積帯の空室率は5%を下回っていることから、テナントの入れ替え期間を考慮すると、ほぼ満室稼働であると考えられます。一方で、支払い賃料については、アパートはすべての面積帯で前月比下落、前年同月比では、50㎡-を除いて下落しています。マンションでも、前月比、前年同月比共に、面積の狭い単身者向けの0-20㎡とカップル向けの30-50㎡の支払い賃料は下落傾向です。大学の都心移転の影響でテナントの抜けた空室を埋めるためや交通利便性の悪い地域の物件、築古の物件で賃料を下げている可能性が考えられます。神奈川県の人口流入超過数は増加傾向にあることから、近い将来、支払い賃料は上昇に転じる可能性が高いと考えられます。

横浜市では、アパートの家族向けの50㎡-の空室率が前月比で悪化した以外は、アパート・マンション共にすべての面積帯で空室率が改善しました。ただし、アパートの50㎡-の空室率は5%を下回っており、テナントの入れ替え期間を考慮すると、ほぼ満室稼働であると考えられます。支払い賃料は、アパートの単身者向け(0-20㎡、20-30㎡)、マンションの面積の広い単身者向けの20-30㎡で前月比上昇しましたが、それ以外の面積帯では前月比で下落しています。マンションの面積の狭い単身者向けの0-20㎡の支払い賃料はアパートの0-20㎡の支払い賃料よりも低い水準で推移していることから、都内に移転した大学の学生をターゲットにしていた物件が多く含まれている可能性があると考えられます。横浜市は範囲が広いため、東京23区への通勤利便性が悪い地域では、神奈川県の人口流入超過数増加の恩恵を受けきれていないと考えられます。

 

埼玉県

さいたま市はアパートのカップル向けの30-50㎡を除き空室率が改善しました。アパートの30-50㎡は支払い賃料が上昇基調で推移しており、マンションとの賃料差が縮小してきたことで、魅力が薄れつつあると考えられます。アパートの家族向けの50㎡-は空室率が高い水準で推移していることから、支払い賃料が2018年1月よりも低い水準で推移しています。しかし、この賃料の低さが好感されておりここ1年は空室率が改善傾向で推移しています。マンションの30-50㎡、50㎡-の支払い賃料は上昇基調で推移していることから、2026年3月以降は空室率の改善が止まり、横ばい傾向となっています。アパート・マンション共に単身者向けの0-20㎡、20-30㎡の空室率は大きく改善、支払い賃料も上昇基調を維持しています。賃料が上昇した東京23区を避けた単身者の受け皿になっていると考えられます。

 

千葉県

千葉県西部(柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市)では、アパート・マンションのすべての面積帯で空室率の改善が継続しており、マンションの面積の狭い単身者向けの0-20㎡を除く面積帯で空室率が10%を下回ってきました。集賃料の高騰した東京23区での居住を断念した層が、東京23区への通勤・通学利便性の高い地域へ流入していると考えられます。支払い賃料についても、アパート・マンションのすべての面積帯で、前月比で上昇しており、市場が回復傾向にあることがうかがえます。

 
 

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