全国主要地域賃貸市場動向:CRIX指標を活用した最新のエリア別分析

【CRIX vol.20】2025年9月 全国主要地域のCRIX一覧(空室率と平均支払賃料) 資料ダウンロード

全国主要地域賃貸市場動向
不動産市場アナリスト : 藤井 和之
日本情報クリエイト株式会社 データ戦略室執行役員 : 林 宏

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日本情報クリエイト株式会社(本社:宮崎県都城市、代表取締役社長:辻村 都雄、以下「日本情報クリエイト」証券コード:4054)は、このたび賃貸不動産市場の指標であるCRIX指標を活用した月次レポートを公開したことをお知らせいたします。

本レポートでは、最新データに基づき、全国主要地域の市場動向を詳しく解説します。

※公表されている数値についての当社調べ。

 
 

既存物件の支払い賃料改定は、難航か?

 

東京23区

東京23区ではアパート・マンション共にすべての面積帯で空室率が改善しました。募集賃料の上昇は継続していますが、マンションの家族向け(50㎡-)を除き、平均支払い賃料(以下、支払い賃料)の上昇は伸び悩んでいます。住宅情報提供会社が発表している募集賃料の算出データには新築物件が多く含まれているため、募集賃料の上昇幅が大きくなっていますが、既存物件の支払い賃料改定は、難航していることがうかがえます。特に、供給過剰感のある単身者向け(0-20㎡、20-30㎡)の支払い賃料の上昇は緩やかです。

 

東京都下

東京都下では、アパート・マンション共に、全面積帯で空室率の改善が継続しており、家賃の高い東京23区を避けたテナントの受け皿になっていることがわかります。

ただし、アパートでは、0-20㎡、20-30㎡の支払い賃料が前月比で下落、20-30㎡を除く面積帯で支払い賃料が前年同月比で下落しており、家賃の高い物件が敬遠され始めている、もしくは築古の物件が家賃を下げて空室を埋めている可能性が考えられます。また、マンションのカップル向け(30-50㎡)、家族向け(50㎡-)は新築・中古マンションと競合しており、支払い賃料の上昇が限定的です。

東京都下
 

神奈川県

川崎市でも、アパート・マンション共に、全面積帯で空室率の改善が継続しています。しかしながら、アパートの家族向け(50㎡-)を除き、前月比、前年同月比で支払い賃料が下降に転じており、供給過剰感があります。また。50㎡-に関しては新築・中古マンションと競合しており、アパート・マンション共に支払い賃料が低迷しています。

横浜市では、アパート・マンションのすべての面積帯で、前月比で空室率が改善しましたが、前年同月比では、アパートの20-30㎡、50㎡-、マンションの20-30㎡、30-50㎡の空室率が悪化しており、市場が一進一退を繰り返していることがうかがえます。支払い賃料については空室率が高い0-20㎡が軟調に推移しています。また、新築・中古マンションと競合しているマンションの50㎡-の支払い賃料が上げ渋っています。

神奈川県
横浜市
川崎市
 

埼玉県

さいたま市では、カップル向け(30-50㎡)、家族向け(50㎡-)の空室率の悪化が継続しています。埼玉県では東京23区に比較して新築・中古マンションの価格が低いことから、ローンの返済金額に比較してこれらの面積帯の賃貸住宅の支払い家賃が割高とみられている可能性があります。空室率は全面積帯で弱含んでおり、市場が供給過剰気味になっていることをうかがわせます。

 

千葉県

千葉県西部(柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市)では、アパート・マンション共に前月比で空室率は改善しています。一方で、アパートの支払い賃料は30-50㎡を除き前月比で下落しており、家賃の高い物件が敬遠され始めている、もしくは築古の物件が家賃を下げて空室を埋めている可能性が考えられます。空室率が高いマンションの0-20㎡の支払い賃料も低迷が継続しています。

千葉県
千葉西部
 

札幌市

札幌市では、アパート・マンション共に0-20㎡の空室率の回復と支払い賃料の下降が継続しています。日外国人が急増していることから、支払い賃料を下げてバルクで民泊業者等に貸し出している可能性も考えられます。面積の広い単身者向け物件である20-30㎡の空室率は悪化傾向、支払い賃料は低迷しており、単身者向け物件の供給過剰感は否めません。対して、カップル向け(30-50㎡)は、アパート・マンション共に空室率は低水準で、支払い賃料は上昇傾向にあり、需要が高まっていることがうかがえます。

札幌市
 

仙台市

仙台市では引き続き、面積の狭い単身者向け(0-20㎡)の空室率が高い水準で推移しており、支払い賃料も低い水準が継続しており、賃料を下げても入居者が増加しておらず、選好されづらくなっていることがうかがえます。建築費の高騰で新築マンションの供給が減少してきた影響で、アパート・マンション共に、カップル向け(30-50㎡)、家族向け(50㎡-)については空室率が低水準で推移しており、支払い賃料も高い水準を維持しています。ただし、アパートの50㎡-の支払い賃料は頭打ちをしており、新築・中古マンション・新築・中古住宅と競合していることがうかがえます。

仙台市
 

名古屋市

名古屋市では、アパート・マンション共に前月比で空室率は改善しています。マンションは2025年5月をピークとして空室率は改善傾向にありますが、アパートの空室率は高止まりしています。支払い賃料はマンションの20-30㎡、50㎡-以外は概ね横ばいもしくは下落傾向で推移しており、賃貸住宅市場が弱含んでいることがうかがえます。特に、面積の狭い単身者向け(0-20㎡)の支払い賃料が低迷を続けており、選好されづらくなっていることがうかがえます。

名古屋市
 

京都市

京都市では、アパート・マンション共に前月比で空室率は改善しています。京都市では、新築・中古マンションの価格上昇が著しいため、マンションのカップル向け(30-50㎡)、家族向け(50㎡-)の需要が高まっており、支払い賃料も上昇が継続しています。面積の狭い単身者向け(0-20㎡)は、アパート・マンション共に空室率は改善傾向にあるものの、支払い賃料は低水準で推移しています。賃料を下げて部屋を埋めている、もしくは、支払い賃料を下げてバルクで民泊業者等に貸し出している可能性も考えられます。

京都市
 

大阪市

大阪市のマンションでは、20-30㎡を除き空室率が前月比で悪化しています。大阪万博開催などを見越した賃貸住宅の供給増加が継続しているのに対し、人口流入超過は2024年11月をピークに減少傾向となっていることから、供給過剰気味になっていることがうかがえます。

大阪市
 

福岡市

福岡市では、アパートの50㎡-を除き、空室率が前月比で改善しました。しかしながら、アパートの空室率は、0-20㎡は改善傾向も高い水準、その他の面積帯は2025年に入ってから悪化傾向となっています。支払い賃料も、アパートは50㎡-を除き下降傾向にあり、供給過剰となっている可能性があります。マンションについても、面積の狭い単身者向け(0-20㎡)は空室率が高水準、支払い賃料が低水準で推移しており、選好されづらくなっていることがうかがえます。

福岡市
 

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CRIXは、全国すべての都道府県、主要地域、および数百の自治体をカバーしております。地域別、間取り別、アパート/マンション別などの詳細な数値(平均賃料、空室率)のご提供は、個別でのご相談とさせていただきます。

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※公表されている数値についての当社調べ。(物件広告データに基づく数値は他社からも公表されております)

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