全国主要地域賃貸市場動向:CRIX指標を活用した最新のエリア別分析

【CRIX vol.18】2025年7月 全国主要地域のCRIX一覧(空室率と平均支払賃料) 資料ダウンロード

全国主要地域賃貸市場動向
不動産市場アナリスト : 藤井 和之
日本情報クリエイト株式会社 データ戦略室執行役員 : 林 宏

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日本情報クリエイト株式会社(本社:宮崎県都城市、代表取締役社長:辻村 都雄、以下「日本情報クリエイト」証券コード:4054)は、このたび賃貸不動産市場の指標であるCRIX指標を活用した月次レポートを公開したことをお知らせいたします。

本レポートでは、最新データに基づき、全国主要地域の市場動向を詳しく解説します。

※公表されている数値についての当社調べ。

 
 

空室率が改善も家賃の高い物件が敬遠され始めている可能性

 

東京23区

総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、新型コロナウイルスの感染拡大で減少した東京23区への人口流入超過は2021年後半から2024年前半にかけて増加傾向で推移しました。その後、転入超過は減少傾向となっています。対して、貸家着工戸数は概ね横ばい傾向で推移しています。前月(2025年6月)に、アパートの0-20㎡、マンションの50㎡-で前月比横ばい、その他の面積帯では前月比で僅かながら悪化となりましたが、これは転入超過の減少(需要の減少)が影響していると考えられます。2025年7月は、東京23区のアパート・マンション共に、全面積帯で前月比の空室率が改善しましたが、今後の動向には注意が必要です。募集賃料が大きく上昇していることから、テナントの入れ替えや賃料改定により平均支払賃料(以下、支払賃料)もアパート・マンション共に全面積帯で前月比上昇しました。ただし、マンションの支払賃料の上昇は、50㎡-を除き小幅にとどまっています。また、アパートでは全面積帯で前年同月比下落しており、家賃の高い物件が敬遠され始めている可能性が考えられます。

東京23区
 

東京都下

東京都下への人口流入超過は増加傾向で推移しています。アパート・マンション共に、全面積帯で空室率の改善が継続しており、家賃の高い東京23区を避けたテナントの受け皿になっていることがわかります。アパートでは0-20㎡、20-30㎡、30-50㎡で支払賃料が前月から下落しており、家賃の高い物件が敬遠され始めている可能性が考えられます。また、0-20㎡の面積帯では、設備やセキュリティレベルの高いマンションが選好されており、アパートの0-20㎡の支払賃料が下落傾向にあるのに対し、マンションの0-20㎡の支払賃料は上昇傾向で推移しています。

東京都下
 

神奈川県

東京23区に隣接する川崎市も東京都下と同様に家賃の高い東京23区を避けたテナントの受け皿になっています。ただし、川崎市ではアパートの50㎡-、マンションの20-30㎡を除き、支払賃料が前月比で下落しており、テナントはより安く入居できる物件を選好していると考えられます。
 横浜市では、アパート・マンションのすべての面積帯で、前月比で空室率が改善しました。0-20㎡についてはアパート・マンション共に空室率が高水準です。支払賃料もアパートは2年近く横ばい、マンションは微減傾向で推移しています。アパート・マンション共に50㎡-の支払賃料は上昇傾向で推移していますが、アパートは空室率が急上昇しており、賃料の上昇が嫌気されていることが伺えます。

神奈川県
横浜市
川崎市
 

埼玉県

東京23区への時間距離が若干遠いさいたま市では、マンションの0-20㎡を除き、空室率の悪化がようやく止まりました。アパートの50㎡-を除き、支払賃料は上昇を継続しています。

 

千葉県

千葉県西部(柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市)では、アパート・マンション共に前月比で空室率は改善しています。ただし、マンションは50㎡-を除き、前年同月比で空室率が悪化しており、苦戦が伺えます。アパート・マンション共に単身者向けの0-20㎡、およびアパートの家族向けの50㎡-については、支払賃料の低迷が継続しており、賃料を下げて空室を埋めている可能性を示しています。

千葉県
千葉西部
 

札幌市

札幌市では、アパート・マンション共に0-20㎡の空室率の回復と支払賃料の下降が継続しています。訪日外国人が急増していることから、支払賃料を下げて民泊業者等に貸し出している可能性も考えられます。建築費の高騰で新築マンションの供給が減少してきた影響で家族向けの50㎡-については支払賃料が上昇傾向で推移していますが、20-30㎡、30-50㎡は弱含みで推移しています。

札幌市
 

仙台市

仙台市では引き続き単身者向けの0-20㎡の空室率が高い水準で推移しており、支払賃料も低い水準が継続しています。同じく単身者向けの20-30㎡は、空室率が低い水準、支払賃料は上昇基調で推移していることから、仙台市では単身者が広めの賃貸住宅を選好していると考えられます。建築費の高騰で新築マンションの供給が減少してきた影響でマンションのカップル向け30-50㎡、家族向けの50㎡-については空室率が低水準で推移しており、支払賃料も上昇傾向で推移しています。

仙台市
 

名古屋市

名古屋市
 

京都市

京都市では、アパート・マンション共に単身者向けの0-20㎡は空室率が改善傾向にあるものの支払賃料は弱含んでいます。一方で、同じく単身者向けの20-30㎡は、アパートの空室率は高止まりしているものの、アパート・マンション共に支払賃料は上昇傾向を維持していることから、単身者が広めの賃貸住宅を選好していると考えられます。

京都市
 

大阪市

大阪市のマンションでは、単身者向けの0-20㎡は前年同月比で、20-30㎡は前月比で空室率が悪化しています。支払賃料も0-20㎡は唯一2018年1月の水準を下回っており、狭い単身者向けの物件が選好されづらくなっていると考えられます。

大阪市
 

福岡市

福岡市では、アパートの0-20㎡、マンションの全面積帯で空室率が前月比で改善しました。平均支払賃料はアパートの50㎡-、マンションの30-50㎡、50㎡-を除き前月比で下降しています。特にアパートの20-30㎡は前年同月比で10%以上下落しており、供給過剰となっている可能性があります。

福岡市
 

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