賃貸管理ソフトの導入で得られる3つのメリットと選ぶポイントを解説

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管理する賃貸物件数が増えると、人による管理ではミスや抜け・漏れなどのリスクが高まります。賃貸管理を円滑に進めるためにも、専用ソフトの導入を考える方は少なくありません。

賃貸管理ソフトは不動産管理業者にとって便利な機能が詰め込まれており、1つのソフトでさまざまな業務が行えることが特徴です。

今回は、賃貸管理ソフトを導入する3つのメリットと、選ぶ際の4つのポイントをまとめました。賃貸管理ソフトとはどのようなものか知らない方や、導入を迷っている方はぜひ参考にしてください。

1.賃貸管理は専用ソフト以外でも可能だが限界がある

賃貸管理ソフトの導入に迷っている方の中には、以下のようなことを考えている方も多いはずです。

「どうしてわざわざ賃貸管理を専用ソフトで行うの?」
「エクセルなどを使えば、わざわざ専用ソフトを使わなくても管理できるのでは?」

エクセルなどの「表計算ソフト」は誰もが気軽に使用でき、かつ機能性の高さから定評があります。汎用性が高く、賃貸管理に必要な情報入力や計算に活用することもできるでしょう。

実際に以下のような賃貸管理業務は、表計算ソフトで行うことができます。

  • 入居者情報や物件情報の管理
  • 空室や設備の管理
  • 家賃入金状況の管理
  • 家賃管理表の作成
  • 滞納者の特定
  • 契約書類や請求書の作成
  • オーナーへ送る報告書作成

しかし、表計算ソフトで賃貸管理業務を続けていくことは限界があります。テンプレートがすでにあるとしても細かい数式は自分で作る必要があり、不動産業界関係の法律が改正された時は項目の追加や税率変更も行わなければなりません。
総データ量が多くなるとファイル立ち上げに時間がかかり、一つのセルに入力するたび長い読み込みやフリーズの可能性があります。

一方で、賃貸管理ソフトには上記のようなデメリットがありません。
パソコン上で素早く立ち上がり、入力項目に素早く打ち込んでデータ反映させることができます。レイアウトも整えられているため見やすく、効率的な業務フローを実現してくれる不動産業務支援システムだと言えるでしょう。

 

2.賃貸管理ソフト導入による3つのメリット

上記のように、賃貸管理ソフトは表計算ソフトで見られるデメリットがありません。
それだけでなく、表計算ソフトでの管理よりも簡単で使いやすいというメリットを持っています。

ここからは、賃貸管理ソフトのシステムを導入することによる3つのメリットを詳しく紹介します。

2-1.操作が簡単で覚えやすい

 

表計算ソフトでの賃貸管理は、ファイルの見方や操作方法が難しいという問題があります。
数式の入っているセルをクリックするとエラーが起きたり、文字の折り返しで視認性が悪かったりというケースも少なくありません。
新入社員や操作に不慣れな方は、使い方を覚えるだけでも一苦労となってしまいます。

賃貸管理ソフトを導入する1つ目のメリットが、どのような方でも操作がしやすい点です。
ソフトウェアの画面は見やすいユーザーインターフェースで組まれており、メニュー部分・情報表示部分・入力部分が明確に分かれています。入力部分に数値や必要な項目を入力又は選択するだけで済むため、パソコン操作に不慣れな方も安心です。

数式が表面に出ていないことにより、不用意に触ってエラーを起こすこともありません。入社したばかりの事務の方が即戦力となるだけでなく、教育にかかるコストも大きく削減することができるでしょう。

 

2-2.サポートが豊富で安心して使える

2つ目のメリットは、サポートが豊富であることです。
使用していく中で操作の分からない箇所や不具合が見つかった場合、サポートセンターに問い合わせることで適切に対応してもらえます。

社内開発したファイルで破損や数式エラーが出ると、スキルのある人が対応するまで業務がストップしてしまいます。場合によってはファイルが直せず、一から組み直すこともあり得るでしょう。

賃貸管理ソフトはエラーが起きても、メーカーのサポートへ問い合わせることで、プロによる迅速な対応・改善が期待できます。また、「スキルのある人がいないと対応できない」といった属人性の影響も軽減できます。

 

2-3.機能の拡張・発展性がある

不動産業務は法律改正や税制の影響を大きく受けるため、制度を正しく理解した上で行わなければなりません。そのため、賃貸管理に使用するソフトウェアは機能の拡張・発展性を持っていることが重要です。
賃貸管理ソフトは専門企業が開発しているサービスであり、定期的なアップデートにより最適な状態で使うことができます。

中には、自分で組んだファイルは自分で機能追加できると考える方もいるでしょう。しかし、変化する業界の現状を把握して、システムに正しく落とし込んでいく作業は意外と大変です。
1つの数式を変えると別の数式でエラーが発生しやすい表計算ソフトは、長く使い続けるほどに不便な点が目立ちます。

賃貸管理に長く使うのであれば、自分で機能変更する必要のない賃貸管理ソフトを導入することで作業時間を浮かせることができます。機能の拡張・発展性があり、システム開発の時間を削減できることが、賃貸管理ソフト導入による3つ目のメリットです。

3.賃貸管理ソフトを選ぶポイント

操作が簡単で業務を助けてくれるソフトであれば、一度使ってみたいと考える方も多いでしょう。
しかし、賃貸管理ソフトは数多くの製品が販売されており、製品の特徴を一つ一つ比べることは大変です。そのため、ポイントを抑えた上で自分に適したソフトを選びましょう。

ここからは、賃貸管理ソフトを選ぶ時に重視しておくべきポイントを4つご紹介します。

 

3-1.機能性

機能性の高さでは、自社の業務に必要な機能を備えているソフトであるかを見ましょう。ほとんどの賃貸管理ソフトは一定の機能を備えていて、賃貸管理業務で使えるようになっています。
しかし、使用頻度の高い機能がすぐ立ち上がるか、業務効率化にどれほど役立つかなどの点は、製品ごとに違いがあるものです。

賃貸管理のみを扱う会社であれば、入居者募集業務をサポートしてくれる機能はあまり重要ではありません。入金状況・滞納者の管理や家賃管理表の作成が行いやすい製品を選ぶ必要があります。特に、毎月行う請求・入金・送金処理周りの機能性はよく確認することをおすすめします。

 

3-2.オンプレミスorクラウド

賃貸管理ソフトは、自社サーバーで運用するオンプレミスと、インターネット上にあるシステムを利用するクラウドの2種類があります。以前はオンプレミスが一般的でしたが、近年ではクラウドの方が主流となりつつあります。

この2つにはどのような違いがあるのか、メリットとデメリットを以下にまとめました。

 

オンプレミス

メリット
  • クラウド利用料等の長期的な費用を抑えられる
  • インターネット環境が不安定でもソフトを使える
デメリット
  • サーバー設置やメンテナンスのコストがかかる
  • 業務量やデータ容量の増加によってはサーバーの入替・移管費用がかかる
  • 自社サーバーが故障するとデータ破損のおそれがある

クラウド

メリット
  • サーバー環境構築などの初期費用が不要
  • サーバーの運用及びメンテナンスの手間と費用が発生しない
  • データはクラウドサーバーに保管されるため、落雷や火災に強い
  • クラウドの形式によっては、スペックアップも容易に行える
デメリット
  • クラウド利用料などの長期的な費用がかかる
  • インターネット環境が不安定だとソフトが使えない

3-3.サポート・セキュリティ

賃貸管理ソフトのサポート・セキュリティは、運用していく上で重要なポイントです。
たとえばソフト起動中にデータが消失するトラブルが発生した時も、ソフトのバックアップデータを利用して復旧が可能です。自社にてスムーズに対応出来ない場合には、サポートに依頼してバックアップから復旧できれば、業務の滞りを最小限に抑えられます。新しい法律に準拠しなければならない時も、バージョンの更新が素早く行える製品であれば安心です。

前述したクラウドソフトでは、データがネットワーク上にあるため、セキュリティ面を特に重視しましょう。データ分散やファイアウォールの設定、利用者権限の設定といった、不正アクセスに強い体制づくりがされていることは必須です。

 

3-4.料金

賃貸管理ソフトの料金は、製品ごとにさまざまです。管理戸数や登録オーナー数によって料金が変動したり、バージョンアップに費用がかかるケースもあります。どのような点で料金が発生・変動するかは必ず確認しておくことをおすすめします。

オンプレミスとクラウドで発生する料金の違いにも注目しましょう。様々な状況にもよりますが一般的に初期費用はクラウドの方が安いものの、長期的にはオンプレミスの方が必要コストは抑えられやすいです。
複数拠点利用やサーバー運用をシンプルにしたいのであればクラウド、サーバーを自社運用して長期的に使用するのであればオンプレミスを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

賃貸管理ソフトは、賃貸管理業務を効率的に進められる専用ソフトです。見やすいインターフェースで操作が簡単にできて、入金管理だけでなく募集資料や契約関連などの書類・家主への月次送金明細書や社内向けのレポート作成も行えます。

賃貸管理ソフトを選ぶときは、自社業務に合った機能を備えていることを重視しましょう。販売形態はオンプレミスとクラウドがあり、サーバー運用・保守が不要で災害・復旧にも強いクラウドタイプの人気が高まっております。そして、サポート・セキュリティの充実している製品であれば、長く使い続けることができるでしょう。

ここまでの内容を参考に、ぜひ御社に適した賃貸管理ソフトを選んでください。

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