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賃貸住宅市場では、実際の賃料や空室率といった重要なデータをベースにした指標が、これまで十分に可視化されてきませんでした。既に存在するデータや指標は募集広告データに基づいており(※1)、実態との乖離が課題となっていました。 そんな中、管理データに基づく国内唯一の賃貸住宅指標「CRIX(Create Rental housing Index)」を日本情報クリエイトが開発しました。
今回は、CRIXの開発者にインタビューを行い、その開発背景や導入事例、今後の展望について伺いました。
※1:募集賃料と比較できるような成約賃料・管理賃料の指標(賃料の“値”として比較できる 且つ 募集賃料と同様の粒度(地域・間取)で比較できる)はCRIXのみ
CRIXの開発を担当したのは、日本情報クリエイト株式会社のデータ事業部門に所属する林 宏氏。長年にわたりクオンツ(金融工学の専門家)として活動した後、IT企業にてビッグデータやAI活用の事業部門を立ち上げます。2020年に当社に入社後、当社が保有する賃貸管理データやマーケットデータの活用・商品化を企画しています。
「賃貸革命などの業務支援システムを通じて、全国450万超の部屋の管理データを蓄積してきました。これを活用すれば、より正確な賃料や空室率の指標が作れるのではないかと考えたのがCRIXの出発点です。」
賃貸管理システムシェアトップの当社の強みを生かして、蓄積するデータを有意義な指標にしたいと考えたのです。

CRIXの最大の特徴は、募集広告ではなく、実際の管理データに基づいて算出されている点です。これにより、実態に即した平均賃料や空室率を把握することが可能になります。
「他社の指標は募集データに基づいているため、実際の契約賃料とは乖離があることが多いです。CRIXは管理会社が実際に管理している物件のデータを使っているため信頼性が高く、統計の根拠として活用しやすいと思われます。」 データのレポートも可能で、例えば空室率が下がって賃料が上がっているエリアは人気が高いなど、即座にトレンドを把握することができます。
「BI形式とcsvファイル形式で提供しております。現状は全国版ですが、欲しいエリアだけという提供の形も検討しております。」

CRIXは、全国の都道府県および450の市区町村をカバーし、アパート・マンションの間取り別・床面積別の時系列データを提供しています。

アパート/マンション、間取り/面積を切り替え、エリアと部屋タイプで空室率と家賃の年間推移情報が可視化されている。
現在、CRIXは複数の金融機関や研究機関で試験導入が進められています。導入のきっかけは、都市別の空室率や賃料推移を精緻に把握したいというニーズでした。
「当初は学会や研究活動でつながりのあるルートを中心に、東京大、早稲田大などの研究室から興味を持ってもらい、データを提供し始めました。業界紙や地方紙にも取り上げていただいた結果、記事をご覧になったニッセイ基礎研究所さんからお問い合わせいただき使ってもらっています。学術・研究機関でのデータ活用の実績を作りつつ、事業会社向けのサービス化を進めています。」
導入先からは、「実際の管理データであり、信頼性が高い」「地域間比較や間取り別分析ができるのが便利」といった評価が寄せられています。
CRIXは今後、コンサルティング企業や調査会社との協業や、自治体との連携や都市計画分野への展開も視野に入れています。また、建売事業者向けには、建築予定地の賃料水準や空室率を把握するツールとしての活用が期待されています。
「街の勢いのような見えづらいものを賃貸管理データで可視化することで、より良い住環境づくりに貢献したい。CRIXはそのための基盤になると考えています。」
「まずは、ご自身がお住まいの地域の空室率や賃料推移を見てみてください。そこから、街の変化や可能性が見えてくるはずです。」
CRIXは、賃貸住宅市場の透明性を高める新たなインフラとして、今後ますます注目されることでしょう。

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