全国主要地域賃貸市場動向:CRIX指標を活用した最新のエリア別分析

【CRIX vol.17】2025年6月 全国主要地域のCRIX一覧(空室率と平均支払賃料および前年同月比) 資料ダウンロード

全国主要地域賃貸市場動向
不動産市場アナリスト : 藤井 和之
日本情報クリエイト株式会社 データ戦略室執行役員 : 林 宏

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日本情報クリエイト株式会社(本社:宮崎県都城市、代表取締役社長:辻村 都雄、以下「日本情報クリエイト」証券コード:4054)は、このたび賃貸不動産市場の指標であるCRIX指標を活用した月次レポートを公開したことをお知らせいたします。

本レポートでは、最新データに基づき、全国主要地域の市場動向を詳しく解説します。

 

東京23区:東京23区の賃貸住宅市場に変調の兆し?

東京23区では、アパート・マンション共に、全面積帯で空室率の改善が継続していましたが、2025年6月はアパートの0-20㎡、マンションの50㎡-で前月比横ばい、その他の面積帯では前月比で僅かながら悪化しました。2024年以降に改善傾向で推移してきた東京23区の賃貸住宅の空室率が底打ちした可能性があります。平均支払い賃料(以下、支払い賃料)では、アパートの20-30㎡、30-50㎡は前月比、前年同月比ともに下落、マンションの20-30㎡は前月比で下落、30-50㎡は前年同月比で下落となっています。賃料の値上げにより、支払い賃料の高い物件から入居者が退去している可能性があります。このように、好調だった東京23区の賃貸住宅市場に変調の兆しがみられます。来月以降の状況を注視する必要があります。

東京23区
 

東京都下

東京都下では、アパート・マンション共に、全面積帯で空室率の改善が継続しており、家賃の高い東京23区を避けた入居者の受け皿になっていることがわかります。ただし、アパートでは0-20㎡、20-30㎡、30-50㎡で支払い賃料が前月から下落しており、賃料の高い物件から賃料の安い物件へ入居者が転居している可能性を示しています。また、0-20㎡の面積帯では、設備やセキュリティレベルの高いマンションが選好されています。

東京都下
 

神奈川県

東京23区に隣接する川崎市も東京都下と同様に家賃の高い東京23区を避けた入居者の受け皿になっています。ただし、川崎市ではアパート・マンション共に、全面積帯で、支払い賃料が前月比で下落しており、入居者はより安く入居できる物件を選好していると考えられます。
 横浜市では、アパートの50㎡-、マンションの30-50㎡を除き、空室率は前月比で改善しています。特にマンションは2023年後半以降、空室率は悪化傾向で推移していましたが、天井を打った可能性があります。支払い賃料は、空室率の高い0-20㎡を除き、前月比で上昇しています。

神奈川県
横浜市
川崎市
 

埼玉県

東京23区への時間距離が若干遠いさいたま市では、アパート・マンション共に全面積帯で空室率の悪化が継続しています。アパートの50㎡-を除き、支払い賃料は上昇を継続していますので、賃料の上昇を嫌った入居者が他地域へ移動していると考えられます。

 

千葉県

千葉県西部(柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市)では、アパート・マンション共に前月で空室率は改善しています。しかし、アパートの0-20㎡を除き、前年同月比の空室率は悪化しており、供給過剰感は否めません。特に単身者向けの0-20㎡、およびアパートの50㎡-については、支払い賃料の低迷が継続しており、賃料を下げて空室を埋めている可能性を示しています。

千葉県
千葉西部
 

札幌市

札幌市では、アパート・マンション共に0-20㎡の空室率が急激に回復している一方で、支払い賃料は下降傾向が継続しています。同じく単身者向けの20-30㎡についても支払い賃料は下降傾向で推移していることから、単身者向けの賃貸住宅市場が好調とは言い難い状況です。訪日外国人が急増していることから、急激に空室率が改善している0-20㎡が民泊業者等に貸し出されている可能性も考えられます。

札幌市
 

仙台市

仙台市の空室率は、アパートの50㎡-が若干悪化していますが、それ以外には大きな動きがありません。0-20㎡の空室率は高水準、支払い賃料は低水準で推移しており、供給過剰状態であると考えられます。

仙台市
 

名古屋市

名古屋市では、単身者向けの0-20㎡、20-30㎡の空室率が高い水準で推移しており、支払い賃料もマンションの20-30㎡を除き継続的に上げることができていません。単身者向けの物件は供給過剰傾向にあると考えられます。日米の関税交渉の結果、自動車の関税は15%に落ち着きましたが、今後の変更に含みが持たされていることから、引き続き注意が必要です。

名古屋市
 

京都市

京都市では、アパート・マンション共に全面積帯で空室率が改善しています。マンションは0-20㎡を除き、支払い賃料が上昇傾向で推移していますが、アパートの支払い賃料は横ばいから下落傾向で推移しており、好調なマンションに対して賃料を抑えて対抗していると考えられます。アパート・マンション共に0-20㎡は空室率の改善の割に支払い賃料の改善がみられません。民泊業者等に貸し出されている可能性も考えられます。

京都市
 

大阪市

大阪市のマンションでは、前月比の空室率が横ばいから悪化に転じており、賃貸住宅市場の転換期を迎えている可能性があります。支払い賃料は引き続き上昇傾向にありますが、今後の動向に注意が必要です。

大阪市
 

福岡市

福岡市では、アパート・マンション共に空室率が前月比で横ばいから悪化となりました。支払い賃料に関しては、アパートの20-30㎡、30-50㎡は前月比、前年同月比ともに下落しており、供給過剰になりつつあると考えられます。新築マンションの供給減少及び価格高騰の影響を受けて、50㎡-については支払い賃料の値上げが順調に進んでいると考えられます。

福岡市
 

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