【初級編】IT重説のやり方と必要な準備をわかりやすく解説

2025.07.08

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【初級編】IT重説のやり方と必要な準備をわかりやすく解説

 

不動産業界で注目されている「IT重説(重要事項説明のIT化)」は、対面での説明をオンラインで代替できる仕組みとして浸透し始めています。国土交通省のガイドライン整備により法的な整合性も担保され、導入する企業が増加中です。しかし、初めてIT重説を行う不動産会社にとっては、「どのような準備が必要か」「実際のやり方は?」という疑問も多いのではないでしょうか。

 

本コラムでは、初心者向けにIT重説の基本的なやり方や必要機材、事前準備のポイントをわかりやすく解説します。効率的な業務運営と顧客満足度向上のヒントを提供いたします。

 

★商品リンク:『IT重説』

 

 

IT重説とは?

制度の概要と背景

IT重説は、従来対面で行っていた宅地建物取引業法に基づく重要事項説明を、オンライン通話を用いて遠隔で行う仕組みのことです。国土交通省は一定の条件下でこれを認めており、契約の効率化や移動コストの削減を目的に多くの不動産会社が導入しています。特に遠方の顧客との取引が多い事業者にとっては利便性が高く、導入が業務改善に直結する可能性があります。

 

参考URL:国土交通省「書面電子化・IT重説マニュアル(令和6年12月版)」(最終確認日:2025年6月11日)

IT重説のメリットとは

IT重説の最大のメリットは、遠方の顧客とのやりとりがスムーズに行える点です。たとえば地方に住む大学生や高齢者世帯にとって、わざわざ来店せずに説明を受けられるのは大きな利点となります。また、不動産会社にとっても来店対応の手間を減らし、業務効率化が可能になります。さらに、説明の様子を録画・記録することもでき、トラブル時の証拠として活用できるのも安心材料の一つです。

 

 

IT重説のやり方

IT重説は、特別な申請や許可なしに実施可能な制度ですが、法的に有効な手続きとして成立させるには、機材の用意と運用手順に加えて、国土交通省のガイドラインで定められた要件をきちんと満たす必要があります。
まず何から始めるべきかに悩んだ場合は、「社内の環境確認」と「運用ルールの整備」から取り組むことが推奨されます。
 
具体的には以下のステップで準備を進めましょう

 

1. 社内にIT重説に対応できる機材・システムがあるか確認
2. 担当者がガイドラインを理解しているかをチェック
3. 「顧客に対する説明方法」や「同意取得」の手順を社内マニュアル化
4. 必要に応じて、社内での模擬実施(ロールプレイ)を行う

 

それでは、必要な設備と実施手順を詳しく見ていきます。

必要な機材・システム

IT重説に必要な環境は、「通信」「表示」「音声」「共有」の4点に対応する設備を整えることが基本です。以下が必須となる機材・システムです。

 

① 安定したインターネット環境(光回線や高速Wi-Fi)
② パソコンまたはタブレット端末(画面10インチ以上推奨)
③ Webカメラ(外付けor内蔵、解像度720p以上推奨)
④ マイク・スピーカー(ノイズキャンセル付きヘッドセット推奨)
⑤ オンライン会議ツール(Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど)
⑥ 録画機能(説明の記録保存が可能なシステム)

 

また、顧客側にもこれらの機材が整っているかを確認し、操作に不安がある場合は、事前に接続テストや簡易マニュアルを提供するのが望ましいです。
当社でもオンライン会議や録画の機能を兼ねた「IT重説ツール」を提供しております。簡単な操作で会議を始めることができ、初めて利用する方に向けた案内資料のご用意もあるため、安心してご利用いただけます。
準備をしっかり整えておくことで、トラブルを防ぎ、より円滑な重説につながります。

 

参考URL:国土交通省「書面電子化・IT重説マニュアル(令和6年12月版)」②-1.自社の環境整備:設備・システム(最終確認日:2025年6月11日)

実施までのステップ

IT重説の流れは、機材があればすぐ実施できるわけではなく、「法的要件」を満たす必要があります。以下の5つのステップに沿って実施しましょう。

 

① 顧客の事前同意取得
 「IT重説で進めても構わない」という同意を、書面またはメール等で取得。
 → 雛形:IT重説同意書のテンプレートを事前準備。
 
② 通信環境テスト(顧客と)
 実施前に1度、顧客とのビデオ通話接続確認を行い、映像・音声・画面共有が問題なく動作するかを確認。
 
③ 重要事項説明書の事前送付
 説明日までにPDFや郵送で顧客に資料を送り、あらかじめ目を通してもらうよう案内。
 
④ 当日の説明実施(オンライン)
 国家資格である宅地建物取引士が、カメラ越しに重要事項を逐一説明。取引士証も画面で提示。
 
⑤ 同意確認と録画記録の保存
 顧客の理解度を確認した上で同意を得て、録画の許可を得た場合は記録を保管(保存期間は社内規程で設定)。

 

 

導入時に気をつけたいポイント

トラブル防止のための対策

IT重説で想定されるトラブルには、「通信が切れる」「音声が聞き取りづらい」「顧客が資料を読めていない」などがあります。これらを防ぐためには、通信テストの実施、事前に資料を郵送またはPDFで送付し、操作方法を説明することが有効です。また、説明中に進行状況を確認しながら進めることで、理解度の把握もできます。録画を残しておけば、後日確認やクレーム時の証拠にもなるため、実施を推奨します。

顧客への説明と信頼確保

IT重説に慣れていない顧客には、「非対面でもしっかり説明が受けられるのか」といった不安がつきものです。そのため、実施前に「どのような流れで説明するのか」「何が準備物か」を丁寧に伝えることで安心感を与えられます。あわせて、必要であれば紙ベースでの説明資料提供や電話での補足も行うことで、顧客満足度を高めることができます。不安を取り除く姿勢が、企業への信頼につながります。

 

参考URL:国土交通省「書面電子化・IT重説マニュアル(令和6年12月版)」②-2.運用ルールの策定(最終確認日:2025年6月11日)

 

 

まとめ

IT重説は、遠隔地の顧客との非対面取引を円滑にし、不動産業務の効率化を進める強力なツールです。導入にあたっては、機材の準備や通信確認、説明資料の共有など複数のステップがありますが、国土交通省のガイドラインに沿って準備すれば、難しいものではありません。何よりも、顧客の理解と信頼を得るための丁寧な対応が成功の鍵です。今後ますます拡大するIT重説の活用に向けて、今のうちから実務スキルを身につけておくことが重要と言えるでしょう。

 

 

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